メディアの広告マネタイズにおいて、複数のHeader Bidding手法を活用し、それぞれ接続可能なBidder(≒SSP、一部DSPも参入)を競い合わせる形は、大手メディアを中心に定着しつつあると思います。
また中小規模のメディアにおいても、Header Bidding導入を始めているケースも増えてきています。
導入後の効果検証
Header Biddingは、導入前後での効果検証はなんとかできるのですが、その後、継続的に効果があるのかの検証は難しく、以下のような状況になることも多いと感じています。
- まずは導入してみる。
- 収益(絶対額)があがっているように見える?ので、維持する。
- サイトが遅くなっている可能性がある。impが減少している可能性がある。
- 各Bidderのimpや収益の比較してみたが、どうしたらいいかわからない。など
Header Biddingのなかでも、Prebidのみなど、個別の手法においては、その管理画面やレポートを確認することで、どのBidderのBidが多い、impressionが多い、CPMが高い、収益の絶対額が多いなどを見ることができます。
ただ広告予算(DSP)視点で考えると流通経路が多くなっている関係上、どこかの経路の収益が上がっていてもどこかが下がっているなどアロケーションが変わったのみということも起こりやすいものと思います。
(一方、この複数の流通経路を競わせることで、都度メディアにとって一番CPMが高い広告を取得するのがHeaderBiddingの運用となります。)
メディア全体のマネタイズ施策においては、Header Bidding(Prebid含む)のみならず、全体で包括的に見ていく必要があり、日々の運用においては全体感やアロケーションがどのように変わるかを深く観察しています。
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新規導入時の検討事項
上記は導入後のイメージになりますが、新規に導入する際には、事前に以下のような検討も必要になります。
・導入Bidderの選定
多くのBidderつないだ方が効果は高まるような気がしますが、一方で速度の問題も・・・。
・導入方法の決定/費用の算出
様々なPrebid導入パートナー様がいらっしゃいます。
実装、スケジュールや費用を考慮し自社メディアに合うところを選定します。
・導入後の売上増額の算出
どの程度のCPM増を見込むか、そのために何をするか。
・表示速度や、imp減、の評価方法の検討
どのような指標に影響するか事前に確認し、また評価方法を検討します。
上記はあくまでOpen Auctionの最適化、自動化を主とした形となります。
今後 Open Auctionのみでは大きな収益拡大は見込めないと考えており、PMPなどの自社媒体ならではのデータをもとにDemandを獲得し、配信していくことで、より効果的なものとなると考えております。
エンハンスでは、Prebidのみならず、メディア全体を包括的に捉え、様々なテクノロジーをどのような形で組み合わせるのが適切かを検討し、施策を実行するご支援をさせて頂いております。
Kazuya Shionoiri
大手新聞社や専門メディアのコンサルティングを担当。最新テクノロジー情報のキャッチアップも素早く、エンハンスコンサルタントメンバーを束ねる。バンドマン。